「女性活躍・働き方応援シンポジウム」を開催しました!


 茨城県といばらき女性活躍・働き方応援協議会は、
2023年2月9日(木)に「女性活躍・働き方応援シンポジウム」を開催しました。

 本シンポジウムは、女性活躍や働き方に関する現状と課題、そしてこれから進むべき方向性について考え、
企業における女性管理職の登用や、女性自身もやりがいを実感し働くことができる社会につながることを目
的に開催したものです。
 昨年は新型コロナウイルス感染拡大でオンラインのみの開催でしたが、今年はハイブリット形式での開催
で、会場の茨城県庁には100名以上の方に、オンラインは220名以上の方にご参加いただきました。



チラシデータ
  

リーフレットデータ



 

第1部 女性リーダー登用先進企業表彰 

 茨城県では、職場においてリーダーとなる女性人材の育成や管理職・役員への登用促進に積極的に取り組
み登用実績が優れている企業を表彰しています。
 令和4年度は3社が受賞され、知事から直接表彰状を授与されました。
 また、受賞企業の取組を優良事例として代表者からのメッセージとともにご紹介しました。


【特別優良賞】 【優良賞】  

 

第2部 基調講演

「女性リーダー育成の必要性」【講師】菊間 千乃() 氏  弁護士 
  
 まだまだ日本は意思決定する立場に男性が多く、アジアの中でも遅れています。
 女性が活躍できる機会を作るためにも、政策やビジネスにおいても女性の視点が活
かされるべきであり、
同じ女性であっても様々な考えがあるので、女性の多様性を表現していくためにも、一人ではなく同時に複
数の女性をリーダーに登用することが重要です。
 女性自身がリーダーになりたがらないとよく言われますが、リーダーになると選択できることが増え、
それが喜びや達成感につながることが分かれば、リーダーをやりたいと思う女性は増えると思います。
 女性リーダーを増やしていくために、企業は幹部候補の育成やメンターの導入、評価基準の見直し、男性
育休取得率を向上させることが必要であり、女性自身にも失敗
を恐れずやりたいことは全部やり、女性のリ
レーのバトンを次の世代に繋いでいってほしいです。



                                                                                                                                                        

 第3部 トークセッション

 基調講演のテーマをもとに、女性の登用が進まない理由について、データを用いながら、パネリストそれ
ぞれの立場からディスカッションしました。

           



【ファシリテーター】
小室(こむろ) 淑恵(よしえ) 氏  (株)ワーク・ライフバランス 代表取締役社長   
  
 【パネリスト】
  • 菊間(きくま) 千乃(ゆきの) 氏 弁護士(基調講演講師)
  • 仁衡(にひら) 琢磨(たくま) 氏 ペンギンシステム(株) 代表取締役社長
  • 勝沢(かつざわ) 賢一(けんいち) 氏 サイボウズ(株)営業本部リージョナル第1営業部部長(東日本統括)  兼 営業人材開発部部長
  • ()(はぎ) 寛子(ひろこ) 氏 (株)トレンディ茨城 常務取締役(受賞企業)  
  •           
 
()(はぎ) 寛子(ひろこ) 氏 (株)トレンディ茨城 常務取締役

 異業種の職場であったが、会社が色々な経験をさせてくれたことは糧となりました。
 管理職の立場になって、現場の経験を強みに、男性とは違う女性の目線で社員の解決策に寄り添うことが
できました。また、責任もあるが意思決定ができるようになるので、目指す会社の組織作りに参画できるよ
うになりました。後押しをしてくれた上司、同僚に感謝しています。
 具体的には自身が管理職になってから、会社の組織を縦割りから社員一人ひとりが強みを活かして活躍で
きる横並びのチーム体制に変えました。それによって、女性も活躍できる場も増え、最初は「女性にはでき
ない」と言っていた男性管理者が考えを変え、女性でもできる改善策を提案してくれるなど前向きになって
くれたことが非常に嬉しいです。




菊間(きくま) 千乃(ゆきの) 氏 弁護士

 「女性を管理職に登用しにくい理由」に「必要な知識・経験・判断力を有する適任者がいない」と回答す
る企業が多いようですが、入社当時は女性のほうが優秀な人が多かったのに10年度に管理職になる立場の女
性がいないのは、女性側の問題ではなく、経験をさせていない会社側の問題であるというのを意識しないと
なりません。
 企業のマネジメントは一人ひとりの事情を考慮すべきで、それによって社員のモチベーションややりがい
も高まり、その結果企業全体が向上していきます。
 周りの人が得をして自分も得をするというマインドで、お互いが高め合う“お互い様”ができれば組織として
発展していけると思います。




仁衡(にひら) 琢磨(たくま) 氏 ペンギンシステム(株) 代表取締役社長

 かつて私自身も長時間労働の働き方をしていましたが、この働き方はよくないと感じており、社長になっ
たのち、働き方改革に取り組みました。必要ない残業をして残業代を稼がなくても生活に困らず安心して働
けるように、固定残業手当が含まれる職能手当を支給する制度を導入しました。しかしこの仕組みを成立さ
せるためには、高付加価値の受注を増やすなど本業の工夫も必要なので、それも同時に進めてきました。
 また、茨城県働き方改革優良企業認定や、国のユースエール認定、くるみん認定といった様々な認定を受
けることは、会社にとって励みになり、人材採用や公的な入札加点などプラスは多々あります。
 気兼ねなく産休・育休をとってもらい復帰しやすい雰囲気を作っておくことは、社員本人もキャリアを断
念する必要がないし、会社にとっても優秀な社員に戻ってきてもらった方がよいので当たり前のことだと思
います。
 男性育休の取得や、時間単位や半日単位の有給休暇取得制度を取り入れたことで、男性社員も父親として
育児に参画できていることも良かったです。
 女性の活躍を進めるためには、長時間労働の是正や男性の育休取得などできるような働き方改革を進めて
いく必要があります。
 大企業は仕組みづくりをするのに時間がかかる場合が多いですが、中小企業はすぐに変えられる強みがあ
るので、ぜひ、一緒に働き方改革を進めていってほしいです。




勝沢(かつざわ) 賢一(けんいち) 氏 サイボウズ(株)営業本部リージョナル第1営業部部長(東日本統括) 兼 営業人材開発部部長

 仕事も家庭も諦めない生き方をテーマに行っている「ワーパパディスカッション」は男性の働き方を発信
していくことで採用に結び付けたいと思ったのがきっかけでしたが、ディスカッションを重ねるなかで、男
性もこれからの人生を真剣に考えていることがわかりました。家庭を持って子育てしながら、これからパー
トナーとどのような人生設計をしていくか話してくれ私自身とても学びがありました。若い人は仕事だけで
なく自己実現していきたいのではないかと思いますので、「自分がどうなりたいか」について若いメンバー
達と考えながら活動しています。
 男性の育児休業取得は会社にとっても大きな価値があります。それは、取得者が不在でも仕事がまわる仕
組みづくりをチーム全体で行うことで属人化が解消されるからです。それは復帰した時にも活かされると思
います。働き方に制限がある女性は、日頃からそのような思考で仕事を捉えてくれていて、そのような人が
仕組みを作ってくれたおかげで、自身も働き方を変えることができました。企業は誰がやっても同じように
できる仕組み作りを進めるべきだと思います。 
  やってはいけないのは、ルールに縛られるせいで働きたい人が働けないことであり、それによって離職
が起きれば本人にとっても会社にとっても損失です。今いるメンバーで一番成果を出せるかを考えた時に、
 サイボウズとしては、一人ひとりの人生設計に寄り添うことを大事にしています。





最後に
ファシリテーターの小室氏からコンサルティングで行っている具体的な手法として、「マニュアル休暇」の
ご紹介がありました。

学校の予定表が配られる4月中旬頃に全員が2週間まとめて休暇を取る日を決める。
→引き継いでくれる人に引継ぎマニュアルを書いてもらう。
(全員がやるのでお互い様!)
→実際に全員が2週間休暇を取得する。 
→本当に休めたのか、マニュアルが機能したのかを確認し、見直し。
→職場の仕事が見える化、共有化できる。
→コロナや震災になっても、サスティナブルな職場になる!

「女性も輝き、育児する人も介護する人も様々な事情があるすべての人が堂々と働き続けられる職場を皆さ
んと一緒に作っていきたい」とメッセージを伝えられました。




~グラフィックレコーディング~
講演内容をイラストと文字を用いて可視化したグラフィックレコーディングを行いました。