ピジョンマニュファクチャリング茨城株式会社
管理部 管理課 課長 石毛 菜穂子さん
プロフィール・経歴
2004年PHP茨城(株)(現:ピジョンマニュファクチャリング茨城(株))に入社。3度の産休・育休を取得しながら、人事、経理、総務関係業務、製品出荷、資材発注業務などの業務経験を積む。2017年に管理課リーダーを経て、2021年から現職に就任。
一度は断った昇進も、再度の打診で挑戦を決意
私は商業系で学んだ知識を活かせる業務を希望し、この会社に入社しました。
私の地元には親会社ピジョン(株)の育樹地があり、歳の離れた妹が哺乳びんやおしりナップなどのピジョン製品を愛用していたので、とてもご縁を感じました。
入社した当初は経理担当として、資金管理や会計処理を担当し、第2子の育休復帰後に人事総務を担当し、第3子の育休復帰時には、産休者の代理として半年ほど出荷業務に携わりました。その後発注業務などを経験し、2017年に管理課リーダーに任命され、2021年に現職に就任しました。
過去にも一度管理職へ就任を打診されたことがありましたが、「管理職ってすごい人」という漠然とした印象があり、当時末子が未就学児だったので、管理職に就いた場合に家庭との両立が難しくなってしまうのではないかと考え、「今の私には絶対に無理だ」と思い打診を断りました。
2021年に、当時上司であった女性管理職が諸事情で退職されることを機に、改めて打診を受け、自分の環境の変化や、上司から「あなたなら大丈夫だよ、自信を持ちなさい」と言葉をかけてもらったことで、管理職になることを決意しました。
管理職となって苦労したこと、やりがい
業務負荷や責任の増大は当然想定していましたが、‘’時間の使い方‘’に一番苦労をしました。通常業務に部下のマネジメントが加わるため、部下の相談や打ち合わせ等、様々なコミュニケーションの機会が増えたので「どうやって時間を有効に使うか」が課題となりました。
また、「管理職は業務を全て把握していないといけない」という思い込みもありましたが、業務を任せることが部下の成長に繋がることに気づいてからは、視野が広がり、新たな視点で物事を考えられるようになりました。
信頼関係を築く上でも、円滑なコミュニケーションは重要で、相手を理解し尊重することが大切だと感じます。どんなに良いことを心の中で思っていても、言語化しないと相手には伝わらないので、コミュニケーションを積極的に取ることを心掛けています。自分の経験や部下の意見を吸い上げ、ともに改善しながら働きやすい環境を整えていくことがやりがいに繋がっていると実感します。
ワークライフバランスに満足できる職場環境を目指して
子育てをしている中で、子どもが体調を崩したとき、親に預ければ「親に申し訳ない」、会社を休めば「会社に申し訳ない」と考えてしまい、自分の気持ちを犠牲にする部分がありました。
育児や介護をしながら働く社員が、私のような思いをしてほしくないと思い、ピジョン(株)の制度を参考に「学校行事休暇」等、法律の基準を超える制度の導入や、搾乳室の設置、育児介護中の社員を応援するための育児介護ギフトのプレゼント等、福利厚生を充実させることで、プライベートと仕事を両立できるような制度設計を構築しています。
私自身3人の子どもの育休から復帰しましたが、当社は子育てをしながらでも働きやすい環境が整備されているので、ワークライフバランスには満足しています。また、男性の育児休業は3か月~半年程度と長期間取得する社員が増えてきたので、男女ともに取得しやすい雰囲気になってきています。
当たり前と思っていた中にきっかけがある
今まで当たり前と思っていた業務の中に“きっかけ”が⾒つかることがあります。
当社の場合、過去は男性が従事していた機械オペレーター業務を性別に関わらず担当してもらうことで、社員が活躍できる場を広げました。
業務内容と性別を紐づけずに活躍できる場を設け、「場慣れ」することにより、管理職でない⼈も性別に関係なく発⾔できるような環境や、⾃分の意⾒を安⼼して発信できるという形が作られ、さまざまな考えが業務に良い影響を与えています。
管理職として働くうえで支えとなったこと
私は家族や職場の方々に支えてもらっています。
家庭面では、義理の両親が隣に住んでいるため、子育てのサポートを積極的に行ってくれます。子どもが小さい頃は体調不良の時に預かってもらったり、学校や保育園の送迎をしてくれたりと、義母の支えがあったからこそ仕事を続けてこられたと思います。また最近では子どもたちも大きくなり家事を積極的に手伝ってくれるようになりました。
仕事面では部下に支えていただいていると感じます。私自身完璧な人間ではないので、自分に足りない部分を補ってくれる部下がいることで、互いに協力し合える関係性を築かせてくれています。
また、私は元来後ろ向きの性格なので、管理職として自信が持てないと不安な気持ちを上司に相談した際に「自信がないのは皆同じ。自分の理想には追いつかないものだから成長できるのだよ」と言葉をかけてもらいました。とても心に響き、今でもお守りのように大切な言葉となっています。
管理職を目指そうとしている女性へのメッセージ
私のように自信が持てず不安と思っている人こそ身構えずに挑戦してほしいと思います。
新たな視野が広がることで、自分自身の成長を実感できるはずです。家庭と仕事の両立で実際に葛藤することがあるかもしれませんが、挑戦する価値はあると思います。
2025年2月取材