働き方改革・女性活躍優良企業詳細

株式会社 郡司建設

代表取締役 郡司 誠さん

代表者
職名
代表取締役 郡司 誠 事業内容 土木・舗装・水道施設・解体工事業(茨城県知事許可)
所在地 鹿嶋市大字粟生1711
業種 建設業 従業員数 11名
URL https://gunji-kensetsu.company-info.jp/

働き方改革の第一歩として、完全週休2日制を導入へ

 私はもともと首都圏の大手企業に週休2日で勤めていましたが、家業を継ぐために17年前に実家に戻ってきました。当時は、土日出勤が当たり前で、どうしてもその働き方が効率的と思えず、私が会社を任されるようになってから、経営的な観点からの当時の社長(父)を説得や、社員の給料を安定させるため日給制から月給制に変更するなどして、完全週休日2日制の導入を行いました。
 制度導入当初は、社員も戸惑っていたようですが、完全週休2日制で土日が休みになるので、休日の予定が立てやすく、家族と一緒に過ごす計画を立てやすくなったと好評です。一緒に仕事をする企業も徐々に土日休みに対して理解を示してくれるようになりました。

ICT施工の標準化により業務効率化を実現

 私は、企業は成長のために大切なものは「人材」であり、社員に活躍してもらうためには、働く環境を整えることが重要であると考え、時間単位の有給休暇制度や1週間以上連続して休める夏季休暇、GW休暇を導入するなど休暇制度の充実にも取り組んでいます。最近では、新たに勤怠管理システムを導入し、現場担当者はスマートホンでの出退勤の報告により工事現場への直行直帰が可能となり、給与の自動集計ができるようになるなど労務担当者の負担軽減にもつながっています。
 また、働きやすい労働環境づくりとあわせて、業務の効率化にも積極的に取り組んでいます。弊社では、最先端のICT施工を標準化しており、ドローンによる3次元測量やICT建機による施工、電子小黒板の活用による工事写真の自動分類などICTを積極的に活用することで、技術者一人あたりの生産性が向上し、1か月の社員一人あたりの平均残業時間は0.3時間(産業平均15.5時間)と大幅に改善しました。
 こうしたシステムを導入する際は、まず私が体験してみることとしており、社員にも、私から直接使い方を指導しています。ベテランの社員は、最初、使い方を覚えるのに苦労していましたが、今ではすっかり使いこなして作業が楽になったと喜ばれています。

スキルアップによりモチベーションが向上

 弊社は、長く勤めていただいている社員が多く、離職率も低いのですが、将来を見据えて積極的に若い人材を採用しています。今年も1名採用しましたが、完全週休2日制なので、趣味のスポーツを楽しみながら、ワーク・ライフ・バランスのとれた生活を楽しんでいるようです。若い社員には、将来、現場監督になることを見据えて、資格取得によるスキルアップなども積極的に支援しています。例えば、今年の新入社員には、ドローンの講習・試験を受けて資格を取得してもらい、ドローンを使用する際の国への申請や、各現場で航空写真の撮影を担当してもらっています。
 弊社の給与体系では、能力給と資格給に分かれていて、資格を保有していると給料が上がるようになっているので、モチベーションを保ちながら、様々なスキルアップにチャレンジをしてもらえるようにしています。

今後は今注目されている「建設ディレクター」の導入を検討

 日中は現場作業を行って、戻ってきてから時間外で書類の作成をするというのは、現場担当者の負担が大きいので、書類の作成などのバックヤードに近い業務を行うことで、現場担当者の支援を行う「建設ディレクター」を今後導入してみたいと考えています。結婚や出産によって離職をしてしまう女性も多いと思いますが、最近は施工管理ソフトもクラウド化されてきているので、在宅で業務ができるようになれば、子育て中の女性も働ける機会が増えて人材確保の面からも良いと思います。また、1度育成した人材が、継続的に長い期間で働けるようになれば、人材育成の面からも有効だと思います。
 経営者の方は、自社の働き方に関する課題については、わかっていらっしゃると思いますので、時間をかけて取り組んでいっていただければと思います。働き方改革は、取り組まないことには進みませんが、トップダウンで一気にやりすぎると、大きなひずみが出てしまい、従業員がついてこられないので、1つずつステップアップしていくことをおすすめします。
(2022年10月取材)