女性ロールモデルインタビュー

関彰商事株式会社

モビリティトランスフォーメーショングループ モビリティ総合企画部長          櫻井 永子(さくらい ひさこ)さん

プロフィール・経歴

1990年入社、1996年にグループ会社である自動車販売店舗に異動して以来、モビリティ関係の業務に従事。モビリティ業務課長などを経て、2022年10月より、現職であるモビリティ総合企画部長に就任。

上司の言葉が管理職へ後押し

 当社では、モビリティ部門として、ホンダ、メルセデス・ベンツなどの自動車を取り扱うグループ会社があり、約30の販売店舗があります。現在、私はモビリティトランスフォーメーショングループに所属しており、販売実績の管理や販売戦略の策定、労務管理、CS(顧客満足度)の向上や新たなモビリティサービスの創出に関する企画提案などを行っています。入社して6年目に自動車販売の店舗に異動になり、それ以降、自動車に関する業務に携わってきました。
 私が管理職になったのは、店舗の仕事から、自動車部門を統括する本社の業務部門に異動して直ぐのことでした。上司からお声がけがあった時は、あまりにも突然でもう少し現在のポジションで経験を積みたいとの思いから、一旦保留にしてもらいました。その時、当時の上司から「管理職への推薦の話があった時が、あなたのなるべきタイミング。そのチャンスを掴みなさい。」と言われお受けすることにしました。上司のその言葉がなければ、もっと迷っていたと思います。
 数年後ですが、どのようなお考えで私を推薦してくださったのか間接的にお聞きする機会があり、私の今までの仕事の状況や行動などを見ていていただいていたことを知り、とても嬉しく思いました。
 実際に管理職になってからは様々な声もありましたが、いろんな意見もあると受け止めて、理解してもらえるように仕事を頑張りました。一方で、特に女性からは、先輩から後輩までいろいろな方から応援していただくことが多く励みになりました。
 当時は、自分のキャリアについて明確なビジョンを持っていたわけではありませんでしたが、管理職というポジションに就いたことで、将来のキャリアについて前向きに考えるようになりました。
 また、それまでは、自分の仕事以外にあまり関与できないもどかしさがありましたが、管理職になって、部下の状況を確認しつつ業務全体の進捗状況を把握するなど大変でも業務全体に関われるようになりました。仕事上、他の部門との連携を取ることも多くなり、いろいろな部門の皆さんと関わる機会が増え人脈も広がりました。

周囲や家族の支援に支えられ

 今まで働いてきたなかでは大変なこともたくさんありましたが、相談したり、一緒に動いてくれるなど協力してくれる方が周囲にいたので乗り越えてくることができました。上司から、元気がないなと声を掛けていただいたことや、後で知ったのですが、私の代わりに同僚に協力を頼んでくれていたということもありました。同僚や上司など、本当に人に恵まれてきたと思います。
 管理職になると業務量が増えますので、自分のなかで優先順位を決めて家庭と仕事のバランスをとっていく必要があります。仕事で帰りが遅いことや休日出勤がありますが、夫の理解と協力があり、とても感謝しています。夫には、精神面でも支えになってもらっています。以前も、仕事が忙しかった時に、夫が「そんなにつらいなら、やめてもいいよ」と言ってくれたことで、肩の荷が下り、気持ちを切り替えて頑張ろうという気持ちになったことがありました。

柔軟な思考や行動でお互いを受け入れられる関係づくりが大事

 当社は、女性をはじめ社員が働きやすい環境が整備されていて様々な制度があります。教育機関と連携したリカレント教育にも力を入れていて、社員は直接仕事に関係がないことでも働きながら学ぶことができます。私も、その制度を活用して大学で心理学を勉強させてもらいましたが、その時に勉強したことが、現在、マネジメントを行う上で役にたっています。
 仕事をするうえで心がけているのは、常に笑顔でいることと、感謝の気持ちを忘れないということです。また、仕事を進めるうえでは、「柔軟さ」と「厳しさ」の両方が大切です。自分の経験からも、厳しいだけではなく、柔軟な思考や行動でお互いを受け入れられる関係づくりが大事だと思います。販売店舗で働く女性スタッフにアドバイスする際にもこのことを伝えています。ただ単に強いのではなく、筋の通った強さと柔軟さを身につけてもらいたいと思っています。これからも、自分の個性や人柄を大事にしながら、もっと勉強して自身が携わる部門だけでなく、会社全体に視野を広げていきたいと思います。

管理職を目指そうとしている女性へのメッセージ

 誰もが不安や緊張でいっぱいだと思いますが、協力してくれる人はたくさんいます。「立場が人を育てる」というように自分も成長することができます。
 もちろん、成長するためには努力も必要です。一つ一つ乗り越えて行けばいいことです。大変なことばかりではありませんので、自分自身にポジティブなイメージを持って頑張ってほしいと思います。
(2023年7月取材)